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漢方薬方  〜防風通聖散・ボウフウツウショウサン〜

当帰
芍薬
川キュウ
山梔子
連翹
薄荷
生姜
荊芥
防風
麻黄
大黄
芒硝
桔梗
黄ゴン
石膏
甘草
滑石

防風通聖散・ボウフウツウショウサン −宣明論−
薬味構成
当帰芍薬川キュウ山梔子連翹薄荷生姜荊芥防風麻黄大黄芒硝桔梗黄ゴン石膏甘草滑石

適応 高血圧 脳溢血 動脈硬化症 肥満症 脂肪心
慢性腎臓炎 糖尿病 丹毒 頭瘡 眼病
蓄膿症 酒サ鼻 皮膚病 喘息 胃腸過多症
脚気 梅毒 淋疾 痔疾 常習便秘
脳卒中後遺症 脱毛症 化膿性腫れ物
病位
陽明病

虚実
実証

十二臓腑配当


方意
●裏の実証による腹実満、便秘、肥満
●熱証による充血、発疹、化膿傾向、顔面紅潮
●上衝の熱証による不眠、肩背強急などの精神症状

●水毒による浮腫、咳嗽、関節痛
●古血による月経異常
に対する方剤です。

目標
 実証で体力が十分にあり、腹部が膨満して力のある、いわゆる太鼓腹で
重役型の体質の人に多く、便秘がちの方に用います。脈に力があり、腹部はへそを中心に充実しているが、中にはあまり腹満をのない方もいます。
 肥満卒中体質の方に用いることが多く、食毒、水毒、その他の一切の自家中毒物が停滞して、種々の病変を呈するものを発汗、利尿、便通などによりそれぞれの毒を排出し解毒します。
 皮膚の色、顏の色が強く、赤色を帯びているのはオ血を兼ねているので、防風通聖散だけではなく、駆オ血剤を合わせて用いなくてはいけません。

お薬の飲み方
■湯剤の場合、温めてお飲み下さい。
■粉、エキス剤の場合、できるだけお湯でお飲み下さい。

症例 慢性耳漏/47歳・男性 −漢方処方応用の実際より−

 大兵肥満で体重は86キロの相撲取りのようなどっしりとした体格で顏色は赤く、大酒飲みである。20年前中耳炎に乳様突起炎を併発し、切開手術を受けた。また同じ年に顎洞化膿症で手術をした。それ以来、左の耳と乳様突起手術後の傷跡から排膿が続いて止まらない。時々、左耳の後が痛む。10年前に盲腸炎の手術もしている。
 血圧は180〜80ミリで、肩こりがひどく、また首筋も凝り、口渇が甚だしく、水は1日1Lぐらい平気で飲むという。大便は一日1〜2回である。脈は力がある。この時点で典型的な防風通聖散証だと思われた。
 しかし、この方、便秘ではなく、便は軟便である。そこで、防風通聖散から大黄、芒硝を去って、辛夷を2g加えた。
 本方服用後25日間で、耳内と耳後よりの排膿がきれいに止まってしまった。血圧も150〜75に降下し、一般症状が好転した。
 とにかく、20年間、1日といえども排膿のやんだことがなかったのが、服薬20日間でぴたりと止まったというのであるから、本方の降下によるものと推定してよいと思われる。血圧も140〜80のところに落ち着いている。

備考
この証の方は特に呼吸器疾患がないのに、咳嗽、鼻閉を訴えることがあります。



参考文献  出典1) 漢方診療医典 大塚敬節
矢数道明
清水藤太郎 著
出典2) 漢方処方 応用の実際 山田光胤 著
出典3) 漢方方意ノート 千葉古方漢方研究会 著
出典4) 漢方治療百話第1〜3集 矢数道明 著
出典5) 腹證奇覧 稲葉克文礼
和久田寅叔虎 著
出典6) 漢方処方応用のコツ 山田光胤 著
出典7) 薬局製剤 漢方194方の使い方 埴岡博・滝野行亮 共著
出典8) 勿誤薬室方函口訣 長谷川弥人 著
出典9) 漢方診療30年 大塚敬節 著
出典10) 皇漢医学 湯本求真 著
出典11) 黙堂柴田良治処方集 柴田良治 著
出典12) 類聚方広義 吉益東洞 著



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