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漢方薬方  〜白虎加人参湯・ビャッコカニンジントウ〜

知母
粳米
石膏
甘草
人参

白虎加人参湯・ビャッコカニンジントウ −傷寒論・金匱要略−
薬味構成
知母粳米石膏甘草人参

適応 感冒 流行性感冒 アトピー性皮膚炎 麻疹 丹毒
猩紅熱 チフス 虹彩炎 角膜炎 日本脳炎などで高熱甚だしい口渇
煩躁のあるもの 日射病 糖尿病 かゆみの強い湿疹 精神病で興奮し、煩渇のあるもの
病位
陽明病

虚実
実証

十二臓腑配当


方意
●裏の熱証による著しい渇き、高熱、発赤、掻痒感
●津液の減少が激しいことによる尿自利(頻尿)
に対する方剤です。

目標
 熱症状と大煩渇が第一目標。
 
表裏の熱が甚だしく、体液が減少し、口舌が乾燥し、口渇が激しく大いに水を飲みたがる方に用いる方剤です。
 大便は硬く、
尿利は増加し、背中に悪風(風が当たると寒気を感じる)があり、時に発汗のひどく多い方にも用います。
 糖尿病の場合にもこの症状があります。冬でも熱がり、口渇が激しく、尿利には著しい増減のないものが本方の証。八味丸も白虎加人参湯も口渇が目標ですが、白虎加人参湯は尿利の変化が少なく、八味丸の多くは多尿、時に小便不利です。

お薬の飲み方
■湯剤の場合、温めてお飲み下さい。
■粉、エキス剤の場合、できるだけお湯でお飲み下さい。

症例 原因不明の高熱に白虎加人参湯/44歳・女性

 数年前に胃がんを手術し、やせ衰えてふらふらしていた。しかし、六君子湯を飲んで元気となり、術後6年も再発していず、元気に家業に従事しているので、現在は手術した大学病院で調査の対象となっている患者であった。
 ある灼熱の暑さの夏の日であった。患者の夫が相談にこられた。患者が4日前から40度を越す高熱が出て、いろいろ注射もしてもらったが解毒せず、原因がなんとも分からず、困っているからぜひ来てもらいたいということであった。
 患者は、焼けつく様な熱さを訴える。汗はほとんど出ない。熱は40度2分もあり、それでいて微悪寒があり、ひどく口渇を訴え煩躁があった。
 2日ほど、抗生物質を飲んだが、胃が悪くなるのでやめてしまったという。食欲がないのに比較的膨満している。吐き気も下痢もない。
 本証は「大熱煩躁、大渇引飲、心下痞硬、脈洪大者」「消渇、脈洪数、昼夜引飲歇まず、心下痞硬、夜間肢体煩熱更に甚しく、肌肉日消鑠する者」白虎加人参湯の証と認めて本方を3日分与えた。
 この方を服用すること2日間で、見事に解熱し、解熱後7日間で起床して家事ができるようになった。この患者の発熱の真相が何であったか分からない。食中毒でも、夏ばてでもないようであるが、結局は夏ばてと見るべきものであったかもしれない。

備考
 本方を煎じる時は粳米が熟して、よくほとびる程度にするため、弱い火で長く煎じたほうがよい。
 白虎は中国古代の四獣神の一つ。四季では秋を表し、清涼の意を含んでいます。また、主薬の石膏が白いので名づけたともいいます。


参考文献  出典1) 漢方診療医典 大塚敬節
矢数道明
清水藤太郎 著
出典2) 漢方処方 応用の実際 山田光胤 著
出典3) 漢方方意ノート 千葉古方漢方研究会 著
出典4) 漢方治療百話第1〜3集 矢数道明 著
出典5) 腹證奇覧 稲葉克文礼
和久田寅叔虎 著
出典6) 漢方処方応用のコツ 山田光胤 著
出典7) 薬局製剤 漢方194方の使い方 埴岡博・滝野行亮 共著
出典8) 勿誤薬室方函口訣 長谷川弥人 著
出典9) 漢方診療30年 大塚敬節 著
出典10) 皇漢医学 湯本求真 著
出典11) 黙堂柴田良治処方集 柴田良治 著
出典12) 類聚方広義 吉益東洞 著



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