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漢方薬方  〜半夏厚朴湯・ハンゲコウボクトウ〜

半夏
茯苓
生姜
厚朴
蘇葉

半夏厚朴湯・ハンゲコウボクトウ −金匱要略−
薬味構成
半夏茯苓生姜厚朴蘇葉

適応 神経症 血の道症 気管支喘息 食道痙攣
百日咳 妊娠悪阻 胃炎 胃下垂症
神経性心気症 自律神経疾患症 ヒステリー 抑うつ反応
特発性気胸 気管支炎 胃アトニー症 バセドウ病
病位
太陰病

虚実
虚証

十二臓腑配当
心・腎・大腸

方意
●上焦の気滞による呼吸困難
●気滞による精神症状として抑うつ気分・感情不安定
●脾胃の水毒による悪心・嘔吐、水毒による浮腫
などに対する方剤です。

目標
 スタイルの良いやせ型の人に多い証で胃腸が弱く、皮膚や筋肉の緊張が悪い虚弱体質の人で
咽喉のつまったようなふさがったような感じ(咽中炙ラン・梅核気)のする方に用います。腹部に胃内停水がある方が少なくありません。
 気分が憂鬱で不眠、動悸、目眩、頭重感などの訴えや、精神不安があり、しばしば矛盾した訴えが入ってきます。甚だしいときは不安発作(動悸や目眩が突然激しくおこり、今にも死んでしまいそうな不安を覚え、大騒ぎする状態)を起こす方にも用います。
 性格は神経質で不安感が強く、内向的で物事にこだわり、精神葛藤により、孤独になってゆく傾向があります。本方はこのような気分の停滞鬱積が、咽喉部や上腹部に痞えとして現われ、水滞が胃部や咽喉部、胸部、体表などに併発したものが目標となります。

お薬の飲み方
■粉薬はできるだけお湯でお飲み下さい。
■煎じ薬は温めてお飲みください。

症例 特発性気胸/48歳・男性

 半夏厚朴湯は、しばしば合方として用いて、興味ある効果があるものである。また、神経症状に用いることが多い。
 原因不明で自然気胸を起こし、なかなかよくならず、来局した。その時、まことに簡単に回復したので、患者は漢方薬が聞いたとは思わなかったらしく、1回の受信で音信を絶った。
 すると、翌年、同様な自然気胸を起こした。しかし前にかかっていた皃大学病院の治療を1ヶ月受けたが、呼吸の苦しさは少しも楽にならないので、思い直してまた来局された。
 もって来た大学病院のレントゲン写真を見ると、右肺が1/3ぐらいに縮まっていて、非常に息苦しいという。
 身体はやや肥満型で、体格がよく、舌が白くて湿り、脉は緩脈である。詳しく聞いていると胸脇苦満もある様子。
 これらの症状から、小柴胡湯がよいが、レントゲン写真に気のうっ滯が見られること、呼吸が苦しいのを気鬱の故として、小柴胡湯合半夏厚朴湯を用いた。
 患者は1週間後には呼吸の苦しさを感じなくなった。レントゲンで見ていると、縮まった肺はどんどん元に戻ったということであった。
 この患者に、はじめに投与した処方も同じで、非常な速効を見た。直子の患者に、同じ処方を数ヶ月、断続的ながら服用させたところ、2年半以上たった、今日も再発はしていない。

備考
 体質的にも性格的にも繊細な方に多く用います。


参考文献  出典1) 漢方診療医典 大塚敬節
矢数道明
清水藤太郎 著
出典2) 漢方処方 応用の実際 山田光胤 著
出典3) 漢方方意ノート 千葉古方漢方研究会 著
出典4) 漢方治療百話第1〜3集 矢数道明 著
出典5) 腹證奇覧 稲葉克文礼
和久田寅叔虎 著
出典6) 漢方処方応用のコツ 山田光胤 著
出典7) 薬局製剤 漢方194方の使い方 埴岡博・滝野行亮 共著
出典8) 勿誤薬室方函口訣 長谷川弥人 著
出典9) 漢方診療30年 大塚敬節 著
出典10) 皇漢医学 湯本求真 著
出典11) 黙堂柴田良治処方集 柴田良治 著
出典12) 類聚方広義 吉益東洞 著



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