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漢方薬方  〜黄連解毒湯・オウレンゲドクトウ〜
        〜黄解散・オウゲサン〜

黄連
黄柏
黄ゴン
山梔子

黄連解毒湯・オウレンゲドクトウ -外台秘要-
黄解散・オウゲサン
薬味構成
黄連黄柏黄ゴン山梔子

適応 諸熱性病 喀血 吐血 衂血 下血
脳充血 ノイローゼ 精神病 血尿 皮膚ソウ痒症
口腔・食道の痛み 黄疸 酒サ鼻 肝斑
病位
少陽病

虚実
虚実中間よりやや実証

十二臓腑配当
胆・三焦

方意
 上焦の熱証による顔面紅潮・心下痞・発熱・発赤・充血や感情不安定や不眠などの精神症状に用いる方剤です。
 しばしば血虚による出血傾向にも用います。

目標
 体格はがっしりとして体質が頑丈な人、もしくは体格体質が中ぐらいの人がのぼせ・上逆感などの上昇傾向がある方に用います。
 この場合、便秘の傾向がなくさらに、息苦しさ、全身や手足、あるいはいずれかの局所がほてって暑苦しいもの、あるいは黄疸などがある方がいます。

黄連解毒湯はいくつかの方向性を持っています。
●腹痛
 
痛みは主に胃に由来し、病理的には胃炎・胃潰瘍など。
(患者が虚証で、腹部軟弱無力で胃内停水があるもの、腹壁が薄くて板のように硬いものは人参湯
(胸脇苦満・腹直筋の緊張があれば柴胡桂枝湯
●出血
 出血の
初期に黄連解毒湯や瀉心湯を用います。出血が長引き、貧血傾向がある時は黄連解毒湯と四物湯の合方である温清飲を用います。
●不眠
 黄連解毒湯の不眠は
上逆感・興奮性のあるもの。漢方薬で回復する睡眠は自然の眠りで、化学薬のようなわざとらしい著明は急速睡眠の効果はありません。
●精神病
 黄連解毒湯は胸脇苦満がなく、著明な胃内停水のないものに用います。瀉心湯よりは黄連解毒湯の方が使いやすいようです。(
胸脇苦満がある場合は柴胡加竜骨牡蠣湯が頻用されます)

お薬の飲み方
■エキス剤できるだけお湯でお飲み下さい。
■煎じ薬は温めておのみください。
 出血時はお水でお飲み下さい。

症例 急性胃炎/男性 −漢方処方・応用の実際より引用−

 33歳の体格のがっちりした血気さかんな若者で病状は2日前から激しく腹が痛み近所の医師に往診してもらい鎮痛剤の注射などをしてもらっている。しかし注射をしても痛みは少しも楽にならない。今日は朝から嘔吐で苦しんでいるということであった。診察すると脈は小で体格のわりに虚しているようにみえ舌には白苔が生じ腹診すると上腹部全体がやや膨満し硬く張っている。
痛みはこの部分と左の下腹部、S字状部付近にあるという。
上腹部の状態から急性の胃炎と考えられたがS字状部には他覚的処見がなかった。

 急性胃炎の原因は食べすぎか飲みすぎだろうと思ったが患者のタイプから飲みすぎの方が考えられそこで酒を飲みすぎたからだよ。といってみるとこれがずばりで「実はちょっと頭に来たことがあって飲んじゃったんですよ。普段はあまり飲まないのですが」と答えた。


 自覚症状からは少しわからないこともあったが腹証からは黄連解毒湯が考えられた。そこですぐに黄連解毒湯を飲ませないと思ったが煎じる時間が待ち遠しいので黄連解毒湯合四逆散加動物胆の錠剤を7錠その場で飲ませた。容量は大量であったが体格がよいのでこの量で大丈夫だろうと思った。
その後黄連解毒湯を2日分つくり家へ帰ったら直ぐに煎じて飲むようにいい渡した。

 2日後、患者はにこにこ顏で来院し、先ず礼の言葉をのべ「あれから家へ帰ると1時間ほどたってから急に吐き気がおきて胃液のようなものをだいぶ吐いた、するとそのあと、急に痛みが軽くなりその晩は久しぶりにぐっすりと眠ってしまった。翌日は少し痛いような気がしたが今日はもうなんともない」と報告していた。

備考
黄連黄ゴンを含むので瀉心湯(三黄瀉心湯半夏瀉心湯生姜瀉心湯甘草瀉心湯)の範疇に入ります。
ですから瀉心湯の証に準ずるところが多いです。


参考文献  出典1) 漢方診療医典 大塚敬節
矢数道明
清水藤太郎 著
出典2) 漢方処方 応用の実際 山田光胤 著
出典3) 漢方方意ノート 千葉古方漢方研究会 著
出典4) 漢方治療百話第1〜3集 矢数道明 著
出典5) 腹證奇覧 稲葉克文礼
和久田寅叔虎 著
出典6) 漢方処方応用のコツ 山田光胤 著
出典7) 薬局製剤 漢方194方の使い方 埴岡博・滝野行亮 共著
出典8) 勿誤薬室方函口訣 長谷川弥人 著
出典9) 漢方診療30年 大塚敬節 著
出典10) 皇漢医学 湯本求真 著
出典11) 黙堂柴田良治処方集 柴田良治 著
出典12) 類聚方広義 吉益東洞 著




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