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漢方薬方  〜三物黄ゴン湯・サンモツオウゴントウ〜

黄ゴン
苦参
乾地黄

三物黄ゴン湯・サンモツオウゴントウ -金匱要略-
薬味構成
黄ゴン苦参乾地黄

適応 産褥熱 肺結核 不眠症 汗疱状白癬 膿疱症
湿疹 口内炎 高血圧症 血熱の頭痛
病位
少陽病

虚実
虚実中間

十二臓腑配当
不明

方意
●熱証・燥証による四肢の灼熱感・心胸苦煩・身熱・身重・皮膚枯燥・局所の暗赤色
●上焦の熱証による頭痛・心悸亢進・不眠などの精神症状
●血証による各種の出血
に用いる方剤です。

目標
 三物黄ゴン湯証の方のポイントは手足の灼熱です。
結核のような消耗性の病気で、熱が続き、咳が止まらない方で古血があって、身体や四肢の灼熱がひどく、口舌が乾き、心気が不安定な方に用います。
夏になると手掌や足裏が暑苦しくて夜もよく眠れない方にも用います。
諸種の出血の後に身体が灼熱してだるく、手掌や足の底が灼熱し、唇舌が乾く方にも効果を示します。

お薬の飲み方
■粉薬はできるだけお湯でお飲み下さい。
■煎じ薬は温かくしてお飲み下さい。

症例 胃潰瘍後遺症/男性 −漢方処方・応用の実際より引用−

 男性、会社社長、胃潰瘍の後遺症?および睡眠中の足の攣縮
 平生元気な人であるが、終戦後間もないころ胃潰瘍になって胃切除の手術を受けた。
 しかしそれ以来ときどき胃部が痛むという。奥さんが肝臓ガンでなくなってから、手がしびれたり、夜中睡眠中に足がびくついて驚いて眼がさめることがしばしばある。 また動悸がしたり、驚きやすく疲れやすいなどという神経過敏の訴えがあった。手足は冬でもあつく夜寝苦しいという。
 体格はガッチリとしていていかにも事業家タイプの人だが、顏色が非常に悪く、脈は浮大で虚状である。腹証は右に胸脇苦満があり、心下に痞硬があって、臍下は脱力し軟弱無力である。また腰背部の志室の部分に圧痛が著名でいかにも虚しているという常態であった。
 この患者に柴胡加竜骨牡蠣湯でも与えようかと思ったが手足の煩熱をめあてに三物黄ゴン湯を用いることにし胃が時々痛むというので瀉心湯を合方して投与した。

 1週間目に来院したときには夜間の足のびくつきが全くなくなったという。そのとき、口内炎が出て痛いというので心下痞硬をめあてに甘草瀉心湯に変えた。
 ところがこれで口内炎は治ったが夜間の足のびくつきがまた出て眠れないという。
 そこで再び以前の処方にもどしたところ1週間後に来てびくつきは全然おこらず夜も良く眠れると報告した。以来同じ処方を数ヶ月つづけ病気はすっかり治ってしまった。

備考
三物黄ゴン湯証の血証は三黄瀉心湯・黄連解毒湯などと同じく熱証の関わったものであり、熱証を去って出血を止める代表的な方剤です。
三物黄ゴン湯証は血熱といわれ、血証と熱証が共存する体質の方に用います。


参考文献  出典1) 漢方診療医典 大塚敬節
矢数道明
清水藤太郎 著
出典2) 漢方処方 応用の実際 山田光胤 著
出典3) 漢方方意ノート 千葉古方漢方研究会 著
出典4) 漢方治療百話第1〜3集 矢数道明 著
出典5) 腹證奇覧 稲葉克文礼
和久田寅叔虎 著
出典6) 漢方処方応用のコツ 山田光胤 著
出典7) 薬局製剤 漢方194方の使い方 埴岡博・滝野行亮 共著
出典8) 勿誤薬室方函口訣 長谷川弥人 著
出典9) 漢方診療30年 大塚敬節 著
出典10) 皇漢医学 湯本求真 著
出典11) 黙堂柴田良治処方集 柴田良治 著
出典12) 類聚方広義 吉益東洞 著



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