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漢方薬方  〜温清飲・ウンセイイン〜

当帰
地黄
芍薬
川キュウ
山梔子
黄連
黄柏
黄ゴン

温清飲・ウンセイイン -万病回春-
薬味構成
当帰地黄芍薬川キュウ黄ゴン山梔子黄連黄柏

適応 子宮出血 血尿 衂血 喀血 性蕁麻疹
アトピー性皮膚炎 湿疹 蕁麻疹 面疱 肝斑
黒皮症 ベーチュット症候群 肝障害 神経症 アレルギー性体質改善
高血圧 諸種の貧血 月経過多 胃や腸の潰瘍による下血 血の道
病位
少陽病から太陰病

虚実
虚実中間


十二臓腑配当
三焦・胃

方意
 燥証による皮膚枯燥・渋紙色・肌荒れや、血虚による貧血・子宮出血・月経異常や、上衝の熱証による感情不安定・不眠・心悸亢進に用いる方剤です。

目標
 婦人では、子宮出血が長引いたり、月経過多で出血が多く、あるいは帯下が続き、男子では、下血がしばらく続いて、貧血症状を呈する方に用います。この時、のぼせ、精神興奮、皮膚の熱感を伴う肌荒れなどのある方が少なくありません。
 ただ食欲不振や下痢などの胃腸症状があるときは用いられません。

薬効を整理すると
●止血・補血
●鎮静・精神安定・血圧降下
●皮膚発疹を治す効果
  の3つに大別できます。

◆出血・貧血への用い方
 ・出血は
身体下部(月経、子宮出血、下血など)の出血が多く、且貧血を伴う。
 ・患者は
中間証ないし実証。(外見上虚証に見えてもキュウ帰膠艾湯では効果がない)
 ・虚証に見える場合でも、腹力は中程度
◆鎮静・精神安定・高血圧への用い方
 ・
不安(精神不安)があり、不眠傾向。
 ・甚だしい虚証以外は用いることができる。
 ・どちらかというと陰証。胸脇苦満も胃内停水もない。
◆皮膚発疹への用い方
 ・発疹は
乾燥性。分泌物が少なく、湿潤もしていない。
 ・
赤みがあって熱感を訴えるものもある。
 ・色素沈着があり、
黒く見えるものもある。
 ・血のにじみなど、一見、汚らしいものが多い。

お薬の飲み方
■粉薬はできるだけお湯でお飲み下さい。
■煎じ薬は温めてお飲みください。

症例 貧血と疲労/65歳・男性 −漢方処方・応用の実際より引用−

 5日前に指圧師に全身を指圧してもらいいつも少しぐらいもんでも押しても効き目がないのでその日は特に強く押してもらったそうである。
ところが翌朝から大便がコールタールのように真っ黒になった。それでも平気で会社に行ったが会社では1日中元気がなかった。翌日も同じような大便が出たがやはり会社へ行った。しかし会社では動悸、息切れがひどく苦しくてたまらなかったという。某大学病院の内科では原因はよくわからないとのこと。

 患者は2,3年前から便通が1日に何回もあったがその他には少しも自覚症状はなかった。
体格のよい立派な身体の人ではあるが顏色は白紙のように蒼白で唇にも血の気がない。あくびが度々出て、めまいもするという。
私は胃腸から急激に出血したものと思ったので原因を大学でよくたしかめてもらうようにすすめた。しかしとにかく出血を止めるつもりで四物湯を動悸、息切れを鎮めるために苓桂朮甘湯を考え両方の合方である連珠飲として投与した。

 投薬後、黒色の大便は2日目からでなくなり10日後に再び来院しその前日大学病院で血液検査をうけたところ350万といわれた。しかしこのとき顏色はほとんど正常に近く眼瞼結膜も血色が出てきた。
面白いことにこのときの腹証は腹部の緊張がよくなり心下部の浸水音が聞こえなくなっていた。
そこで補血の効果を一層期待して温清飲に転方した。
このとき動悸、息切れは全くなくなったので苓桂朮甘湯は不要と思ったのである。

備考
 温経湯は温(おん)と清(せい)を兼ねた薬方で前者は四物湯、後者は黄連解毒湯にあたります。
四物湯は、身体を温め、貧血を治し、皮膚に潤いを保たせる効があり、黄連解毒湯は、健胃、鎮静、止血の効果があります。
 温清飲は、この二方を合わせたもので、応用はなかなか広範囲です。


参考文献  出典1) 漢方診療医典 大塚敬節
矢数道明
清水藤太郎 著
出典2) 漢方処方 応用の実際 山田光胤 著
出典3) 漢方方意ノート 千葉古方漢方研究会 著
出典4) 漢方治療百話第1〜3集 矢数道明 著
出典5) 腹證奇覧 稲葉克文礼
和久田寅叔虎 著
出典6) 漢方処方応用のコツ 山田光胤 著
出典7) 薬局製剤 漢方194方の使い方 埴岡博・滝野行亮 共著
出典8) 勿誤薬室方函口訣 長谷川弥人 著
出典9) 漢方診療30年 大塚敬節 著
出典10) 皇漢医学 湯本求真 著
出典11) 黙堂柴田良治処方集 柴田良治 著
出典12) 類聚方広義 吉益東洞 著




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