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中高年発症のうつ病にはDHEAが有望
抗うつ薬服用中の若年者で自殺の増加が指摘され,うつ病治療薬が非難の矢面に立たされているが,うつ病への対処法を決定するうえでArchives of
General Psychiatryに発表された新たな2件の研究結果が臨床医の助けとなるかもしれない。
双生児対象の研究で判明
精神科医によると,抗うつ薬による若年患者の治療にリスクがある一方,うつ病の放置も危険であるというエビデンスが得られている。キングズ医科大学(ロンドン)精神医学研究所のJulia
Kim-Cohen博士らは,5 歳までに母親がうつ病だと,児の反社会的行動と関連すると,同誌(2005; 62:
173-181)に発表した。
同博士らは,イングランドとウェールズの1,116組の双生児の成長に環境因子がどのように影響するかを検討する縦断研究(Environmental
Risk Longitudinal Twin
Study)を行ったところ,小児の幼少期における母親のうつ病と小児の反社会的行動との関連が認められた。
小児が 5
歳までに母親がうつ病であった193例の小児の 7
歳時での反社会的行動は,母親にうつ病の既往のない728例や母親が双生児の出生前にうつ病であった68例に比べ,有意に高レベルであった。
母親がうつ病に加え反社会性人格障害を合併している場合,児の反社会的行動のリスクはさらに高まることも認められた。
全例でスコアが50%以上改善
従来の薬剤に加えてどのような治療を用いるかに関しては,代替的治療法にも出番がありそうだ。例えば,米国立精神保健研究所(NIMH)行動内分泌学のPeter
J. Schmidt博士らは,中高年発症の小うつ病と大うつ病の治療にはデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)が適用になりそうだと同誌(2005; 62:
154-162)に発表した。
同博士らの研究で,中高年で発症した中等度のうつ病患者男性23例,女性23例を 6
週間のDHEA治療群とプラセボ群にランダム化割り付けし,1 〜 2
週間のウオッシュアウト期間の後,それぞれの群を交差させた。治療期間中に,標準的なうつ病尺度と性機能に関する評価を行った。
その結果,うつ病スコアが50%以上改善したのはDHEA治療群では23例,プラセボ群では13例であった。
同博士らは「現在のところ治療反応性の予測因子は存在しないが,反応率50%であれば,より信頼性の高いうつ病治療法を第一選択とすべきである。しかし,第一選択の抗うつ薬治療に反応しなかった外来うつ病患者の50%,あるいは従来の抗うつ薬の服用を望まない患者にとり,DHEAは軽度〜中等度の中高年発症大うつ病や小うつ病の治療に有益であろう」と指摘している。
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